東京都庁などに投影されているプロジェクションマッピングの予算をめぐり、「使いすぎだ」などの声が上がっている。12日の都議会でも予算が妥当かどうかについての質問が出たが、都側は観光振興にとっての重要性を強調した。とはいえ、全体で18億円を超える予算。都の担当者は「必ず政策の効果測定をし、公表する」と話すが、行政学の専門家は「しっかりとしたマーケティングが必要」と指摘する。税金は正しく使われているのだろうか。
【写真】夜の観光スポット? 7億円のプロジェクションマッピングはこちら
3月4日午後8時半。平日の夜だが、東京都庁前の都民広場には150~200人ほどが集まり、48階建ての都庁舎に映し出されたプロジェクションマッピングを見ていた。観光バスも2~3台止まり、20人ほどで写真撮影している団体もいた。
小池知事は「新たな観光スポットに」
プロジェクションマッピングは2月25日から4月末まで一日5回、10分から15分ほど、都庁の第一本庁舎の壁に投影している。映像の種類は5パターンあり、土日は平日よりさらに手の込んだ映像が流される。建物に映す常設展示としては最大で、ギネス記録に認定された。
ただ、この事業をめぐっては「あまりに金額が高い」と、SNSなどでも話題になっている。
東京都財務局が公表している2023年度予算によれば、プロジェクションマッピングに関する予算は7億円。新宿駅西口をはじめとする都内各地にも展開するとしており、全体では計17億5千万円にのぼる。さらに24年度予算にも都庁への投影で9億5千万円が計上される予定だ。これも含めると、計18億9千万円となる。
小池百合子知事は2月の記者会見で、この事業について、
「東京ならではのナイトタイムを満喫できる新たな観光スポットとして、国内外の旅行者が一度は訪れる名所に育て上げていきたい」
などと語った。