昨年12月に行われた武田氏の政治資金パーティーの受付の様子。画像の一部を加工しています

 長く自民党で政務調査役を務めた、政治評論家の田村重信氏はこう話す。

「昨年12月は、まだ派閥解散も処分もなかった時期でも批判された。今は党の役員停止という重い処分が科せられている。世間的にはこの処分はたいしたことがないと思われがちだが、党内で役員になれない処分を食らうと、数年は重要ポストがまわってこない重い処分です。閣僚経験者で派閥の事務総長までやって裏金問題で処分を受けた武田氏が、処分中にパーティーの開催となれば、批判をされますよ」

武田氏の資金力は「けた違い」

 武田氏は当選7回。安倍・菅内閣で国家公安委員長や総務相などの要職を務めた。旧二階派は、二階俊博元幹事長が裏金事件の責任をとって政界引退を表明し、解散となったが、旧二階派の国会議員はこう話す。

「武田氏は二階氏から、『集まってくる者はいるので、後をやらないか』と派閥の後継を打診されたほど嘱望されていた。だが、武田氏は批判が強いことを危惧して後継を断った。時間を置けば自分自身で派閥のようなグループを作れると自信があるからだそうです。確かに、武田氏の資金力はけた違いですからうなずけます」

 共同通信の報道によると、2022年の政治資金収支報告書から集計した国会議員のパーティー収入は、武田氏が全議員の2位で約2億8100万円だった。ちなみに岸田首相は3位で約2億700万円だった。

 武田氏の支援者はこう話す。
「武田氏は、大きなパーティーを東京と地元の福岡で年に2、3回開催して、一気にカネを集める。それを背景に、若い議員を束ねていく旧来の政治手法だ。前に聞いたところ、大きなパーティーをやって、有力議員や有名人に挨拶してもらうことで大きなPR効果がある。それを見て頼ってくる若手議員もけっこういるという」

 この支援者は、8月のパーティーにも参加予定だと言う。
「私は付き合いが長いので、パーティーには参加します。『政治家として将来、上にいくためにはパーティーは欠かせないので支援してほしい』と言われたこともある。武田氏の秘書は常にパーティー券を持ち歩いている印象です。風当たりが強いこの時期にパーティーを開催するのは、二階氏の後継は自分だとアピールしたいのではないか」

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武田事務所の回答は「中止します」