「開幕前にはMLBキャンプ地でデモンストレーションを行い、健在をアピールした。メキシコリーグでも格の違いを感じる投球を見せている。それでも獲得球団が現れないことが現状を示している」(MLBアジア地区担当スカウト)

 2020年のサイ・ヤング賞獲得から4年が経過したが球威とマウンドさばきは不変。今季メキシコでは5連勝で防御率0.50と圧倒的な結果を残している。

 現地5月26日には4連敗中だったドジャースの右腕ウォーカー・ビューラーがベンチで荒ぶる様子とともに「何を変えるべきか?」と地元のメディアがXに投稿すると、「トレバー・バウアーと契約することだ」と返信するなど、MLB球団への積極アピールは続いているが……。

「米国復帰の可能性はゼロに近いでしょう。登板時にMLBスカウトが視察に訪れることが皆無に近い現状をバウアー本人もわかっているはず」(MLBアジア地区担当スカウト)

 33歳という年齢でまだまだ余力があることは昨季のNPBでの投球などで示しているが、3年近くメジャーの舞台から遠ざかっている。加えて“問題児”としてのレッテルも貼られているだけに、もはや米国では獲得候補としてリストアップすらされなくなっているのかもしれない。

「(必死にアピールはしているが)MLB復帰が難しいのはバウアー自身も理解しているはずで、今後は本人の気持ち次第だろう。(MLB以外で)お金を稼げるNPB球団を選択肢に入れるのかどうか」(スポーツマーケティング会社関係者)

「日本に行くと決めた時にはうちが1番手になると信じていますし、その交渉はしていきたい」とDeNAの萩原チーム統括本部長がコメントしているように、来季以降は日本でプレーする可能性も残されてはいる。また、興味を持っている球団は他にもあると言われ、NPB復帰は可能な状況にはある。

「DeNA以外にもソフトバンクオリックス巨人などがいまだ興味を持っているという話は聞く。しかしグラウンド内外で劇薬になる可能性があるだけに、各球団は慎重な姿勢を保っている」(スポーツマーケティング会社関係者)

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人気もあるが“問題児”のバウアーはどうなる