怖くなって眠れなくなった。女性によると、飲み会などではテーブルの下から市長の手が伸びてきて、ズボンの上から太ももを触られたり、手を握られたりしたという。嫌でたまらなかったが、上司は女性らに市長の隣に座るよう促した。上司には被害を相談できなかった。

「ビクビクしながら働いていました。だから裁判を起こした原告の女性はすごく勇気があると尊敬しますが、やっぱり誹謗中傷を受けています。こうなるからみんな声を上げてこなかった。市議さんたちがやってくれたアンケートを書くので精いっぱいな感じがします」

 実はこの女性、アンケートで「ディープキスをされた」と答えた職員とは別の職員だ。複数の女性が市長から性被害を受けた可能性は決して低くない。

 今回、南城市に原告の女性以外にも市長から性被害に遭った人に話を聴いた旨を伝え、市長のセクハラの有無について市長と市に取材を申し込んだが、市総務課は「あくまで(市議らが実施した)アンケートはウェブ上でやっているもの。市にはそういった(セクハラがあるという)声は上がってきていない。(市長)本人がやっていないというので、我々はそう答えるしかできません」との回答だった。(ジャーナリスト・島沢優子)

AERA 2024年6月3日号より抜粋

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