特に言語能力は、視覚と深い関わりがあります。言語の習得には、目で見た情報を通じて環境を理解することが重要だからです。言語の臨界期は、12歳ごろまでといわれてい ますが、完全なバイリンガルをめざすなら5〜6歳、赤ちゃんは生まれてすぐに母語を獲得し始めるため、早ければ早いほどよいそうです。いずれにせよ、視覚との連携、協調が大切なのはいうまでもありません。
また、小さいときにいろんなおもちゃで遊んだり、いろんな体験をさせてあげたりすると、情報処理能力が発達し、知能や運動能力も爆発的に発展するといわれています。つまり、目への刺激を増やすための経験は、その他の能力の発達にも大きく寄与するのです。たとえば動画ばかり見せるよりも、本を読んであげれば、想像力をつける機会にもなるでしょう。
能力を獲得する機会をロスしてお子さんの将来の選択肢を狭めるのか、それとも、可能性を広げるのか、今が大切です。
寝る前スマホがじわじわ体を壊す
体内時計が狂うのは、脳が時間を勘違いしているから
夜、遅い時間まで眠りにつこうとせず、朝は朝で登校時間が迫っているのになかなか起きてこない……。
お子さんが大きくなってくると、睡眠について気を揉むことも多くなりますよね。私もそうです。睡眠のリズムは光と大いに関係しているため、スマホのような明るい光を発する機器による視覚刺激にも気を配る必要があります。
19世紀後半に白熱電球が発明されてから久しいですが、人類の歴史に当てはめればそれもやはりごく最近の出来事。長らくは火が照明としての役割を果たしていました。私たちの体は今も、日中は活動的になり、夜間は休息をとるようにできています。自然と一体化したリズムが備わっているのです。
それをコントロールしているのが体内時計で、これは脳の視交叉上核(し こう さ じょう かく)というところに中心があります。
体内時計に制御されているものの一つが睡眠です。