人の体内時計は、約25時間の周期で刻まれています。

 24時間じゃないの? と思いますよね。そう、1日24時間という私たちのリズムとはずれがあるのです。ですから放っておくと、どんどん体内時計と生活リズムはずれていきます。

 そこで、毎日体内時計をリセットしてずれを修正しているのが、目から入ってくる太陽の光です。体内時計は、網膜からの光信号を受けて、メラトニンという睡眠ホルモンの分泌をコントロールしています。

 朝、光を浴びると、体内時計がリセットされて活動状態に導かれます。また、メラトニンの分泌が止まります。そしてリセッ トされてから一定の時間(14〜16時間)を経過するとメラトニンが放出され、眠気を催すようになっています。朝起きて浴びる光は、日中の活動と夜の睡眠のスイッチを入れるために必要だということですね。

 起床後2時間以上、暗い室内にいると体内時計のリセットが行われず、その夜に寝つくことのできる時刻が約1時間遅れるといわれています。体内時計のリズムをきちんとリセットするには、起床後なるべく早く太陽の光を浴びる必要があります。

 実は、体内時計へ情報を送る内因性光感受性網膜神経節細胞は、スマホの画面などから発せられるブルーライトに最も反応しやすい特性があります。そのため、寝る前にスマホを見ていると、脳がまだ昼間だと勘違いしてメラトニンを抑制してしまうわけです。
 

 ブルーライトは悪くない?

 スマホをはじめパソコンやテレビの液晶画面には三原色(赤、緑、青)のLEDが用いられており、ブルーライトが多く含まれています。ブルーライトを巡っては、さまざまな意見があるのが実情です。可視光線のなかでも強いエネルギーを持つ光なので、害を危ぶむ声もありますが、根拠はなさそうです。商業ベースでの情報ではないかと心配しています。

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ブルーライトは本当にわるい?