先発陣では2021年から2年連続で最多勝となった青柳が6試合に登板して防御率3.34、昨年12勝の大竹耕太郎が7試合で防御率3.19、大竹に次ぐ10勝をマークした伊藤が6試合で防御率4.26と安定感を欠いている。

 昨季シーズン新人王とMVPを同時受賞した村上頌樹は7試合で防御率1.30、才木が7試合で防御率1.60と先発陣をリードしているが、少ない点差で勝つ野球をするためには全体的に先発陣が安定することは欠かせないだろう。

 加えて、投手戦が多くなっていることで勝ちパターンの投手の登板過多も気になる。クローザーとセットアッパーとして“併用”されている新助っ人のゲラと岩崎優は5月に入って、ともに打ち込まれ黒星を喫する試合があった。

 今後に向けては強みであるリリーフ陣を少しでも休ませる試合を増やす必要もあるため、先発投手と打線の奮起もカギとなってきそうだ。

「投手と野手は持ちつ持たれつ。どちらかの調子が下がる時は必ずあるからカバーし合わないといけない。しかし今年は打線が投手を援護しきれていない。しばらくは我慢の戦いが続きそう」(阪神OB)

 今年はプロ野球が全体的に「投高打低」となっているが、チーム打率.226はリーグ最下位となっている。一方で得点はリーグ2位の120と効率的に点は取れている。

「チーム一丸となって不足部分を補いながら戦っている。特に近本光司と中野拓夢の1、2番が必死にチームをけん引している。調子の上がらない大山悠輔、佐藤輝明、森下翔太の中軸をカバーしている」(阪神担当記者)

 近本と中野は打率こそ3割に届かないが出塁率はともに打率を大きく上回る(近本が.370、中野が.333)。何とか出塁して得点に繋げる意識が高いのがわかる。

 今後は中軸に当たりが出てくればさらに得点力は上がるだろう。佐藤は攻守に精彩を欠き、二軍で調整となっているが、実績十分の大山、2年目の“大砲候補”森下らの奮起を待ちたい。

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