首位を独走するソフトバンク。その原動力になっているのが新加入の4番・山川穂高だ。
【写真】メジャー関係者が明かす「佐々木朗希より欲しい」投手がこちら
開幕から10試合は打率1割台と低空飛行が続いていたが、4月13日の古巣・西武戦(ベルーナ)では1試合2発の満塁アーチとド派手な活躍。その後も打率は2割3分台ながら、好機で効果的な一打が目立つ。5月6日から2位の日本ハムと対戦した首位攻防3連戦では、1戦目に2打席連続アーチを放つと、2戦目は同点ソロ、3戦目も1点差を追いかける初回に同点適時打を放ち、日ハムに3タテをくらわす立役者となった。ここまで9本塁打、35打点はリーグトップだ。(記録は5月12日終了時)
パ・リーグ他球団のスコアラーは、山川について次のように分析する。
「ソフトバンクは柳田悠岐、近藤健介、栗原陵矢、中村晃と主力に左打者が多く、右の大砲が不在だったが、山川の加入で太い軸が1本入った。周東佑京、今宮健太の1、2番でチャンスメークし、3番の柳田も高い確率で出塁するので、山川の打席では走者を置いた場面が必然的に多くなる。5番に近藤健介が控えていることも多く、投手は山川とストライクゾーンで勝負せざるを得ない。少しでも甘く入ったらスタンドに運ばれる。山川も自分が打たないといけないという力みがないから、大きな重圧を抱えず打席に入れているんじゃないですかね。間違いなく12球団トップの破壊力を持った打線だと思います」
「ああ見えて理論派」
山川獲得のメリットは、「額面で残す数字だけじゃない」と証言するのは西武OB。
「ああ見えて理論派。打撃の話をすると1時間以上しゃべります。試合後も室内練習場で打ち込むなどストイックです。ソフトバンクは共に自主トレを行っていたリチャード、井上朋也、正木智也、廣瀬隆太ら右の長距離砲になれる素材が多い。山川に助言を仰ぎながら共にプレーすることで得られるモノは多いでしょう。若手が1人でもレギュラーで一本立ちすれば、さらに強いチームになる」
現在、山川が4番に座ったソフトバンクは首位を独走中。この状況だけ見れば、山川の獲得は大正解だった。しかし、そうと言い切れない事情がある。