平野憲一さん/マーケット・アナリスト(写真:本人提供)

 バブル期の最高値を上回っただけでなく、4万円超えも達成した日経平均株価。現在は下落に転じているが、右肩上がりの基本トレンドに変化はあるのか。1980年代のバブルも経験したマーケット・アナリストの平野憲一さん(76)に聞いた。AERA 2024年5月20日号より。

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 今はデフレ脱却相場が始まったばかり。今後も賃金が順調に伸びて政府がデフレ脱却宣言を出せば、そこからインフレ相場に入っていきます。インフレ相場は経済が次のバブルに至るまで続くので、大相場はまさにこれからです。私は2025年までは弱気になる要素はまったくないと確信しています。

 よく「今がすでにバブルでは?」とする声を聞きますが、まったく違いますね。むしろ対照的な側面が多いことが両者を比べるとわかります。

 まず全体状況が全然違う。1980年代の日本は人口が増加中でしたが今は減少中です。土地の値段が上がっている点は同じですが、当時は土地神話の下、全国津々浦々で3倍、5倍に上がりましたが、今はほぼ首都圏限定で、理由も「立地がいい」など理屈に基づいています。

 マーケットの状況も違っています。株価の割安・割高度合いを示す株価収益率(PER)は当時は60倍もありましたが、今は16倍程度で、これだけ見てもバブルとは言えません。「買い主体」も違う。当時はカネ余りで金融機関の銀行・生損保買いが中心でしたが、今は外国人と事業法人買い(多くが「自社株買い」)が多い。

外国人の評価が一変

 とりわけ外国人が占めるシェアが決定的に違います。当時の11.8%が今は約3分の2の67.6%(23年)にもなっており、外国人の買いが日本株上昇の大きな原因になりました。好調な企業業績を含めて、「変わる日本」が評価されたのです。

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首藤由之

首藤由之

ニュース週刊誌「AERA」編集委員。特定社会保険労務士、ファイナンシャル・プランナー(CFP🄬)。 リタイアメント・プランニングを中心に、年金など主に人生後半期のマネー関連の記事を執筆している。 著書に『「ねんきん定期便」活用法』『「貯まる人」「殖える人」が当たり前のようにやっている16のマネー 習慣』。

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