今季、マスクをかぶる試合が減っている巨人の大城
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今季、捕手の起用法がガラッと変わったのが巨人だ。現役時代に名捕手として球史に名を刻んだ阿部慎之助監督が就任すると、「不動の正捕手」だった大城卓三の出場機会が減少。小林誠司、岸田行倫が先発マスクをかぶる試合が急増した。大城は持ち味の打撃で打率.188、0本塁打、3打点と精彩を欠き、5月8日にファーム降格が決まった。

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「色々考えすぎているのかもしれない。リフレッシュの意味を込めての再調整でしょう。阿部監督は期待が大きいからこそ、大城への要求が高くなる。配球面、投手への声掛け、捕手としてワンランク上を目指す上でまだまだ改善の余地がある。頭を整理して1軍に再昇格した時の活躍に期待したいですね」(巨人を取材するテレビ関係者)

 大城は球界で希少価値の「強打の捕手」だ。昨年は自己最多134試合に出場し、初めて規定打席に到達して、打率.281、16本塁打、55打点と自己最高の成績をマーク。長打力だけでなく、リーグ最多の21犠打と小技をきっちりこなす器用さを兼ね備えている。守備面でも盗塁阻止率.373で3年ぶり2度目のベストナインに選ばれた。21年にはリーグトップの盗塁阻止率.447を記録している。

 ただ、チームの司令塔である捕手はチームを勝利に導いて評価されるポジションでもある。巨人は3年連続V逸で、この2年は連続Bクラスに低迷している。大城の配球面や投手への気配りに関して物足りなさを指摘する声が上がるようになった。順調なら今季中に国内FA権を取得するが、他球団はどのように評価しているだろうか。

 パ・リーグ球団のスコアラーは「攻守を含めた総合力で言えば球界1、2を争う捕手です」と強調して続けた。

「SNS上の書き込みを見ると、大城に対して辛辣な声が目立つじゃないですか。不思議に思いますよ。配球面も打たれると捕手がクローズアップされますが、大城の打者の裏を突く配球にやられたと感じたことは何度もありました。投手に対する声掛けもきっちりしているように感じますけどね。あれだけ打てる捕手はなかなかいないですし、今年のオフにFA権を行使したら間違いなく争奪戦になるでしょう」

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甲斐キャノンはFA権を行使するか?