「ピッコロ大魔王」や「魔人ブウ」も
多くの中国人が巨匠の死を惜しむなか、大きなトラブルに発展しそうなのが、同国での商標をめぐるトラブルだ。商標登録を管轄する中国商標局の公式サイトでは、これまでに申請・登録された商標を検索することが可能だ。ドラゴンボールに登場する人気キャラや人名などがすでに商標申請され、一部は登録が完了しているというのだ。
中国の商標問題に詳しいライターの広瀬大介氏は言う。
「関連の商標はおおよそ2013年から2023年の間に登録されています。例えば作者名『鳥山明』については、広東省広州市の企業によって『文具・絵画材料・顔料・芸術用水彩』などの商標区分で商標登録が行われています。ドラゴンボールのキャラクター名では、福建省にある複数の企業によって『孫悟飯』が『レストラン・飲食サービス・食品』などの商標区分で、『ピッコロ大魔王』は湖北省の企業が『電子機器』などの商標区分で登録をしていますね。他にも『魔人ブウ』や『フリーザ』、『ベジータ』などの人気キャラクター名も、すでに複数の企業や個人によって商標登録が行われていることが確認できました」
一方、著作権を無視した海賊グッズもすでに確認できた。中国大手ECサイト上には、鳥山さんの死去を機にドラゴンボール関連のグッズの出品が増加しており、なかには鳥山さんの追悼と称し、墓前で手を合わせる孫悟空のイラストが描かれたTシャツや、ジッポライターなど“非公式グッズ”が出回っているのだ。しかも、こうした商品はアリエクスプレスなど越境ECサイトでも販売されており、海外のユーザーも購入できるのだ。