体形よりも中身が重要

 脂肪筋は、運動との関係が深く、運動量が少ないと、溜まりやすくなる。田村医師の研究で、片足をギプス固定して動きづらくするとわずか24時間でも脂肪筋が蓄積し、インスリンの効きが悪くなることが判明している。

「体形よりもその中身が重要です。しっかり食べてしっかり運動している、健康的な痩せならそれほど心配ないかもしれません。これは肥満でも同じで、BMIが高くても、しっかり運動している人は疾患リスクがそこまで高くないことも示唆されています。しかし『食べない・運動しない不健康な痩せ』『食べ過ぎ・運動しない不健康な肥満』は運動不足のリスクを認識しなければなりません」(田村医師)

“不健康な痩せ”の最大のリスクは、月経異常や骨減少症になりやすいことだ。骨密度は10代で上昇し、20歳ごろにピークを迎えて以降は増えないので、更年期以降の骨粗鬆症、骨折、ひいては寝たきりや要介護状態にもつながりかねないという。

(ライター・羽根田真智)

AERA 2024年5月13日号より抜粋

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