学校や仕事、生活での悩みや疑問。廣津留さんならどう考える?(撮影/吉松伸太郎)

小中高と大分の公立校で学び、米・ハーバード大学、ジュリアード音楽院を卒業・修了したバイオリニストの廣津留すみれさん(30)。その活動は国内外での演奏だけにとどまらず、大学の教壇に立ったり、情報番組のコメンテーターを務めたりと、幅広い。「才女」のひと言では片付けられない廣津留さんに、人間関係から教育やキャリアのことまで、さまざまな悩みや疑問を投げかけていくAERA dot.連載。今回は、子どもの英語学習に関する悩みに答えてくれた。

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Q. 英語のランゲージスクールを経営しています。毎月単語テストを行っているのですが、小学生から高校生まで、単語を覚えるのが苦手な子が多いです。英単語を覚えるコツや指導法へのアドバイスがあれば教えてください。

A. 私の英単語の覚え方は、単語帳を見ながら声に出して読む。自分にはそれが一番合っています。1日あるいは1回に覚える単語の数を決めたら、「英語→日本語」の順に唱えることを繰り返します。だいたい覚えたかなというところで、日本語の部分を隠して再び「英語→日本語」と声に出していき、つまずいた単語はチェック。ひと通り終えたら、次は英語の部分を隠して「日本語→英語」と同じようにやっていき、つまずく単語がなくなるまで繰り返します。口で唱えて耳から覚えることで、英語と日本語の音がセットで頭に入っていきます。

 短い時間で覚える練習はしていました。例えば1分で15単語とか、難しければ5分で単語帳1ページ分を覚えるなど、頑張ればできそうなタイムリミットを設定して取り組むのが効果的です。時間をたくさんかけて覚えるよりも、時間を区切って少し負荷をかけるほうが集中できて、効率よく覚えられます。

 単語は自分で覚えるしかありません。指導するなら、単語をただ覚えてきてもらってテストをするというよりも、単語の覚え方を授業の中に取り入れてみるのがいいんじゃないでしょうか。みんなで単語を唱える時間を設けて、スピード感を持って覚えるノウハウを身につけてもらう。そうすれば、家でも同じ方法で取り組めるはずです。家庭でも実践してほしい学習方法を授業の中で体験してもらうことが大事だと思います。

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廣津留すみれ

廣津留すみれ

ひろつる・すみれ/バイオリニスト、国際教養大学特任准教授・成蹊大学客員准教授。1993年、大分市生まれ。2016年にハーバード大学(学士課程)、2018年にジュリアード音楽院(修士課程)を卒業。世界的チェリスト、ヨーヨー・マとの共演のほか、ゲーム「ファイナルファンタジー」シリーズの演奏・録音などを担当。情報番組にコメンテーターとして出演も。著書に『ハーバード・ジュリアードを首席卒業した私の「超・独学術」』(KADOKAWA)など。2022年にファーストCD「メンデルスゾーン/ヴァイオリン協奏曲+シャコンヌ」をリリース。ジュリアード音楽院の教授ジョセフ・リン氏の代演を務めたコンサートのライブ音源を収録している。

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