5000件に及ぶ片づけ相談の経験と心理学をもとに作り上げたオリジナルメソッドで、汚部屋に悩む女性たちの「片づけの習慣化」をサポートする西崎彩智(にしざき・さち)さん。募集のたびに満員御礼の講座「家庭力アッププロジェクト®」を主宰する彼女が、片づけられない女性たちのヨモヤマ話や奮闘記を交えながら、リバウンドしない片づけの考え方をお伝えします。
【自信のアフター】片づけたら、自己肯定感ゼロの自分が変わった
case.71 やっと見つけた自分に合った片づけ方 夫と2人暮らし/税理士
日本人は自己肯定感が低い、というのはよくいわれる話です。謙虚さや周囲との調和を重んじる日本人らしさが影響していると考えられていますが、あまりに低いと常に不安がつきまとうなど生活のしづらさにつながります。
夫と2人暮らしの満帆さんは、「自己肯定感が低い」とハッキリと自覚していました。
「仕事が忙しくて、『家事って何?』というくらいできていなかったです。平日は仕事に行って、帰って寝るだけ。片づけが一番できていなかったですね。人が来るときは散らかっているモノを隠すように押し込むだけなので、またすぐ元通りになっていました」
書類やモノが散乱している家の中を見ては落ち込み、いつも片づけられない自分を責めていました。
一方、満帆さんは職場のデスク周りはきれいに整理整頓できていました。書類をきちんと管理しておかないといけない仕事柄、やらざるを得ないことでしたが、帰ってきてから「なぜ自分は家ではできないんだろう」というギャップにも苦しんでいました。
片づけたいけれど片づけが苦手な人は、自己肯定感が低いことも多いです。目を覚ました瞬間から寝る直前まで家の状態が視界に入るので、“片づけなきゃという気持ち”と“できていない現状”がずっとついて回るからです。さらに、捜し物をするときやストックがあるのに同じモノを買ってしまったときなど、自分の行動を反省するのと同時に自己嫌悪に陥りやすいのです。
満帆さんの夫は料理が得意で、仕事が早く終わった日にはごはんを作ってくれるなど家事にも協力的でした。一見すると喜ばしいことですが、満帆さんは「作ってもらっちゃって申し訳ない。なんで自分は料理が苦手なんだろう」と、自分を責めてばかりいました。