その山田も含めて2列目には活きの良い若手ドリブラーが揃っているが、左サイドでは高卒2年目の俵積田晃太(FC東京)を最も推したい。2004年5月14日生まれ、FC東京の下部組織出身の19歳。高卒1年目だった昨季もリーグ戦27試合に出場して2得点2アシストをマークし、10月の月間ベストゴール賞にも選出されたインパクトのあるゴールも決めた男だが、今季はさらに進化した姿を披露した。

 縦へ仕掛ける積極性とスピードはそのままに、切れ味と力強さがアップし、ドリブル方向のバリエーションも増加。5月3日の京都戦でディエゴ・オリヴェイラへ絶妙のクロスを送るなど、決定的な仕事も増えてきた。あとは得点力が身に付けば、間違いなくA代表入りできる能力がある。日本サッカー協会とJクラブ間で決まった「1クラブ最大2人」という縛りがなければ、パリ五輪の舞台にも立たせたい人材だ。

 今季のJリーグでの働きぶりを見ると、新生3バックの一角として奮闘を続ける三國ケネディエブス(名古屋グランパス)も注目したい選手の一人だ。2000年6月23日生まれの23歳。ナイジェリア人の父を持ち、中学、高校と青森山田で育った身長192センチの大型センターバック。2019年にアビスパ福岡に加入して以降、プロの壁にぶつかり、育成型期限付き移籍を経た後もレギュラー定着はならなかったが、今季加入した名古屋では主力CBが抜けた影響もあって開幕から先発フル出場を継続している。

 一番の魅力である“高さ”は攻撃時にも生かされ、滞空時間の長いヘディングは迫力満点。まだプレーに“粗さ”はあるが、スピードと身体的なしなやかさを持っており、このまま試合経験を積む中で自信を深めれば、一気に代表争いに加わってもおかしくない。そして“対世界”を考えるならば身長190センチ台のCBは必要になるはずだ。

 そして今すぐにでも代表に呼びたい男が、誰が見てもブレイクしたと感じるストライカー、ジャーメイン良(ジュビロ磐田)だ。1995年4月19日生まれの29歳。昨季チーム最多の9得点をマークして飛躍を遂げたが、今季は10試合を終えた時点ですでに昨季を上回る10得点を挙げた。その得点力だけでなく、プレー全体にパワフルさが増し、ピッチ上で危険なオーラを常に漂わせている。

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パリ五輪世代は楽しみな面々が目白押し