ここまで得点ランキングトップの磐田・ジャーメイン良
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 2024年のJリーグは序盤からサプライズ続きで例年以上の混戦模様が続いている。選手個々に見ると、U-23日本代表としても活躍した快足ドリブラーの平河悠(FC町田ゼルビア)が、J1の2・3月度の「月間MVP」を受賞するなど、今季序盤戦で最もブレイクした選手と言える。だが、その他にもブレイク、あるいはその雰囲気を漂わせる選手は多くいる。その中で、将来的な日本代表入りが期待される5人をピックアップしたい。

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 まずは平河と同じU-23代表組で、五輪出場権獲得にも大きく貢献したDF高井幸大(川崎フロンターレ)だ。2004年9月4日生まれ、川崎の下部組織出身の19歳。身長192センチの高さでロングボールを跳ね返すだけでなく、鋭い読みで相手のパスをインターセプトし、確かな足元の技術で正確なパスで配球しながら自らドリブルでボールを運ぶこともできる現代型センターバックだ。

 昨季リーグ戦デビューを果たして計14試合に出場した際には随所に“甘さ”が目立ったが、今季は開幕スタメンから好パフォーマンスを続けて外国人FW相手にも互角以上のバトルを展開。そしてU-23アジア杯では試合を重ねる度に安定感と頼もしさが際立つU-23アジア杯の働きを見せた。今後、川崎でも最終ラインで経験を積みながら成長すること間違いなし。今夏のパリ五輪出場後、今年中にもA代表に抜擢してもらいたい人材だ。

 もう一人、平河と同じく今季序盤戦のJリーグを沸かせた上でU-23のアジア制覇に貢献した選手として取り上げたいのが、MF山田楓喜(東京ヴェルディ)だ。2001年7月10日生まれ、京都サンガF.C.アカデミー育ちの22歳。2020年にトップ昇格して以降しばらくはくすぶっていた感があったが、レンタル移籍で環境を変えた今季は自慢の左足が開幕から炸裂。リーグ戦出場6試合で直接FKでの2得点を含む3ゴールを決めた。

 その勢いのまま合流したU-23代表でも右サイドから独特のリズムのドリブルに加えて周囲との連携もスムーズに攻撃を構築。何より、「悪魔の左足」と称される自慢の左足キックで違いを見せ、決勝戦では値千金の決勝弾を決めてみせた。右サイドのアタッカーは日本代表でも最激戦区だが、大舞台での勝負強さと左足の威力、そして近年の現代表に不足しているFKの名手として抜擢を期待したい。

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今季さらに進化した姿を見せるFC東京の19歳