シェアード・ディシジョン・メイキングとは、日本語では「共同意思決定」といい、医師や看護師などの医療者が患者に適切な選択肢を示し、それぞれのメリット・デメリットなどを説明したうえで、患者の選択を医療者がサポートするという考え方です。医療者は、説明だけして「決めてください」と患者に決定させるのではなく、患者の価値観や生活状況、今後の希望や人生への思いなどについても、患者と話し合います。

「1回の話し合いで決まることは少なく、何回か話し合うことがほとんどです。迷って決められない人には、○○までに決めましょうと期限を提示することもありますし、とても決められない、先生だったらどうしますかと言う人には、医学的な見地から選択を後押しすることもあります。前立腺がんの多くは、進行が緩やかなので、このように納得して選択するために時間をかけることができます」(木村医師)

 海外の研究によると、患者が意思決定にしっかりと関与したグループでは、そうではないグループより、治療に対する後悔が少なく、患者の積極的な参画が重要であることが示唆されました。治療法の選択の際には、がんの状態のほか、治療の受けやすさ、合併症、現在の年齢や持病、体力などについて話し合い納得して決めるようにしましょう。

(文/山本七枝子)

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