食エッセイ以外に、おすすめの本ってありますか?
「1冊目は、島本理生さんの『よだかの片想い』です。子どものころは、ファンタジーばかり読んでいたので、リアルな恋愛ものに触れ、心情をこんなにも生々しく表現できるんだ、こういう表現もあるんだと。あまりにも好きすぎて、人生においてずっと大切にしたい作品です。2冊目は『ハチミツとクローバー』です。小学生の時に出会い、お小遣いを貯めて漫画を買いためました。年を重ねて読むと、メインキャラクターよりも一方通行の片思いに悩んでいる女の子の気持ちに共感するように。自分も大人になったんだと気づけた瞬間でした。あと、終わり方が一番好きなんです。最後にもう1作は、『はじめる習慣』です。今日がいちばん自分の人生の中で若いのだから、やりたいことがあるのなら今やるべきだということが力強く書かれています。読めば読むほど実践したいことがたくさんあって、何人もの友だちに薦めました」
(編集部・三島恵美子)
松井玲奈さんの3冊
初恋で成長する女性内面を瑞々しく描く
『よだかの片想い』/島本理生著/集英社文庫
『ハチミツとクローバー』/羽海野チカ著/集英社
『はじめる習慣』/小林弘幸著/日経ビジネス人文庫
※AERA 2024年4月29日-5月6日合併号