今シーズン“復活”の予感を漂わせている巨人・菅野智之

 開幕から間もなく1カ月となるプロ野球のペナントレース。ルーキーや新外国人選手など新戦力に注目が集まるが、その一方でここ数年は成績を落としていながら復活の兆しを見せている選手がいることも確かだ。

【写真】防御率0.38!復活を予感させている投手がこちら

 まず真っ先に名前が挙がるのが菅野智之(巨人)だろう。入団から2020年までの8年間で7度の二桁勝利をマーク。最多勝3回、最優秀防御率4回、最多奪三振2回、最高勝率1回、沢村賞2回と数々のタイトルを獲得し、チームだけでなくセ・リーグを代表する投手として活躍した。しかし2020年のオフにポスティングシステムでのメジャー移籍を目指しながら交渉が不調に終わり残留となると、翌年以降は故障もあって大きく低迷。過去3年間トータルの成績は20勝22敗という数字に終わっている。

 しかし今年はキャンプから順調に調整を続け、開幕から20イニング連続無失点を記録するなど、ここまで3試合に先発して2勝0敗、防御率0.44と見事な成績を残しているのだ。昨年と比べて大きく改善したのがストレートと速い変化球だ。昨年は140キロ台中盤が多かったストレートが150キロを超えることが増え、それにともなってカットボールのスピードも増し、打者の手元で変化する良かった時のボールに戻った印象を受ける。

 昨年は14試合に先発して10本塁打を浴びていたが、ここまで被本塁打が0本というのも球威が戻っていることをよく表している。昨年は一度も先発でバッテリーを組んでいなかった小林誠司を起用したこともプラスに働いているのではないだろうか。この状態を維持することができれば、タイトル争いに絡んでくる可能性も高いだろう。

 菅野と同じ巨人では高橋礼も復活を予感させている。プロ入り2年目の2019年には先発として12勝をマークして新人王を受賞。リリーフに転向した翌年も52試合に登板して4勝、23ホールドと活躍したが、それ以降は二軍暮らしが続き、昨年オフにトレードで巨人に移籍となった。初のセ・リーグとなったが、開幕ローテーション入りを果たすと、ここまで4試合に先発して2勝0敗、防御率0.38とチームを牽引する働きを見せているのだ。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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セ・リーグにはもう一人“復活”の兆しある投手