ゴルフ関連の仕事はすべて断っていた
古閑さんは、この24時間を“埋める”べく、趣味を持とうといろいろ試したのだという。
「ボウリング、卓球、ビリヤード、テニス、キックボクシング、ベリーダンス、それに社交ダンスとかペン字もやりました。それから、楽器もやりましたね。三味線やったり、ギターやったり。温泉とかに旅行も行って楽しかったんですけど、一方で『私、これ何のためにやってるんだろう』って目的がないことに我慢できなくて」
そんな古閑さんを救ったのは、やはりゴルフだった。実は引退してからゴルフをすることを極端に避けていたのだという。その理由にも、古閑さんの強い「プロ意識」がにじむ。
「プロゴルファーたるもの、試合で稼ぐものっていう気持ちが強くて。なので、引退してプライベートでゴルフをやっている自分のことなんて到底想像できなかったんです。プロアマ(プロとアマチュアが一緒にラウンドを回る形式)に出るとか、ゴルフを続ける方法はありましたけど、そういった試合に出るのに抵抗感があったんです。やっぱりトーナメントで技術を競って、そこで勝ち取った賞金の額が自分の価値だっていう考えが強かったので」
引退してからゴルフ関連の仕事の依頼も多くきたというが、全て断っていたそうだ。
しかし、2年ほどすると意識が変化し始めた。きっかけは、年に1、2回行われるスポンサーとのゴルフだったという。
「引退して1年目はまだ良かったんですけど、2年目にすっごく下手になってたんです。小さいころからずっとうまかったので、そんな経験したことなくて。プロの世界でも賞金女王を取っているから、周りの人たちもそういう目で見てくるわけですよ。でも実際はすごく下手で、そのことが本当に恥ずかしかったんです」