「石井前監督は調整はもちろん、登板機会に関しても田中本人の意向を最大限に取り入れていた。監督が代わり異なる環境になったことで戸惑いがあるはず。また安楽のパワハラ事件では、とばっちりを受けてイメージダウンにつながった。大きな不満が募っていても不思議ではない」(元楽天担当記者)

 会費1万8000円で500人限定での募集をしている田中の個人ファンクラブ。日本への復帰初年度は即完売状態だったのが今年は開幕後も募集中だ。また個人のYouTubeチャンネルの再生回生も激減しているという。ファンからの“人気低下”が数字にも顕著に現れてしまっている。

「優勝請負人として楽天復帰したが期待通りの投球はできていない。2年連続で契約更改が越年となったこともファンの気持ちを逆撫でしているのかもしれない。また以前の活躍が衝撃的だっただけに、当時の幻影を誰もが追いかけている部分もあるでしょう」(元楽天担当記者)

 2006年の高校生ドラフト1位で楽天に入団した田中は、プロの壁にぶつかったこともあるが、厳しい世界の中で1年目から結果を残してきた。高卒ルーキーの2007年にいきなり11勝をマークすると、2011年には最多勝(19勝5敗)、最優秀防御率(1.27)、最高勝率(.792)と投手三冠に輝き沢村賞も受賞した。

 2013年には黒星なしの最多勝(24勝0敗)、最優秀防御率(1.27)、最高勝率(1.000)と“神がかり的な成績”で再び投手三冠と沢村賞を手にし、球団史上初となる日本一にも大きく貢献。その後はメジャーリーグの名門ヤンキースに移籍し、7年間で78勝を挙げるなど日本を代表する投手として活躍した。

 そして、コロナ禍真っただ中の2020年オフに楽天に復帰。レジェンド右腕の帰国はプロ野球界の大きな話題となったが、楽天に戻ってからは精彩を欠く投球も目立ち、成績が徐々に低下。33歳となるシーズンの復帰で「まだできる」と期待が大きかったぶん、ファンの落胆も大きかったはずだ。

「ベテランになって衰えてくる部分があるのは仕方ないが、カバーできるだけの技術があり戦力としてはまだ大いに期待できる。また日米で修羅場をくぐった経験は若手の多いチームには何よりの力になるはず。楽天にとって絶対に必要な存在で引退するまでいて欲しい」(楽天関係者)

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