岡本健一と岡本圭人が、4月開幕の舞台「La Mere 母」と「Le Fils 息子」に親子で共演する。作中でも親子役を演じる二人は、どのように舞台に向き合っているのか。AERA 2024年4月8日号より。
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──舞台「Le Fils 息子」「La Mere 母」ともに、原作は映画界からも注目されるフランスの劇作家フロリアン・ゼレールの戯曲。健一は父のピエールを、圭人は息子のニコラを演じる。家族だからこそ生まれる苦しみ、葛藤、そして人生のままならなさ。「Le Fils 息子」は2021年に続く再演であり、「La Mere 母」は日本初演となる。21年の初演を経て、二人の関係はどのように変化しているのか。
岡本圭人(以下、圭人):「Le Fils 息子」の初演時は、稽古場に行くのも初めてでしたし、演出家と向き合うのも初めてで。「稽古場ってこんな感じなんだ」「こんなにスタッフの方々がいらっしゃるんだ」と驚くことばかりでした。前回は、どこか“父についていっている感じ”がありましたね。差し入れなど座長としての仕事は、父に任せてしまおう、と。いまは経験を重ね、以前とは少し違う感じで稽古場にいることができているのではないか、と思います。
「好き」が最も大切
岡本健一(以下、健一):前回の公演を終えてから、何本ものいい作品に出合えているから。出演する舞台を観に行っても、ちゃんと物語のなかに存在する人物として見えているので、スタッフや共演者に恵まれているんだな、と思います。自分自身もそうですが、どんな役も初めは「できない」というところからのスタート。そこから演出家のビジョンに近づけるよう稽古を重ねていくわけですが、圭人はちゃんと認められるところまで持っていけているんだな、とは感じますね。「子ども」や「息子」という意識はなく、周囲にいる仲間の一人、という感覚です。
圭人:それはいいことだ!
健一:一番大きいのは、舞台や演劇が好きだ、という強い気持ちがあること。そこが最も大切なところだと思う。