健一:「La Mere 母」「Le Fils 息子」とも、男性が観ると一番こたえると思う。作品を観て感じて、自分のなかの意識が少しずつ変わり、心が開かれていく、その感覚を体験してほしい。「La Mere 母」で言えば、「女性はこんなことを考えているんだ」「こんな思いをさせてしまっているんだ」と感じることができるから。ニコラと同世代が観れば「親に観てもらいたい」と思うだろうし、家庭を持つ女性なら「夫に観てもらいたい」と思うんじゃないかな。親子で観るのもいいかもしれない。
──二人も、ともに舞台やライブに足を運び、同じ音や感情を共有しながら、時間を過ごしてきた。
健一:僕は昔から「自分が楽しいと思えるところに連れていきたい」という気持ちが強かったから、舞台にしても、ライブにしても、圭人が幼い頃から僕自身が好きなものを一緒に観るようにしていましたね。
親子で趣味が一緒
圭人:息子の立場ながら親目線での表現になってしまうけれど、「いい育て方をしていたな」という感覚はあります。趣味が一緒なんです。すべて教えてもらっているから。
健一:「教えている」という感覚はないけれど。でも、音楽で言えば好きな曲がずっと流れている感じかな。とにかく触れている時間が長いんだよね。
圭人:僕は同じ趣味嗜好を持つ同世代の仲間が少ないんですよ。