桜の開花が待ち遠しい中、2024年のJ1リーグは第4節までを終えた。全38節のシーズンのまだ“序盤中の序盤”ではあるが、今季は各チームの新外国人選手たちが噂に違わぬ、あるいは期待以上の働きを見せており、「当たりだ」「本物だ」と称賛の声が多く寄せられている。
【写真】「ケガがなければ…」日本代表の歴史を変えられた“未完の逸材”たち(全4枚)
最初に大きなインパクトを残したのは、ブラジル人FWエリソン(川崎フロンターレ)だ。名門サンパウロから移籍金350万ドル(約5億3000万円)を支払って獲得したという実力派ストライカー。母国でつけられていたニックネーム「闘牛」が言い得て妙の強靭な肉体とパワフルなプレーで、合流後すぐのトレーニングキャンプの時から高い評判を得ると、リーグ戦が開幕してからは2試合で3得点とゴールを重ね、ACLも含めると4戦5発で早くも新エースとして絶大な存在感を見せた。負傷で2試合を欠場し、その間にチームも連敗して成績低迷が続く中、この男が浮上のキーマン。代表ウィーク明けの次節、3月30日のFC東京との“多摩川クラシコ”での復活&爆発が期待される。
チームも好調で、その原動力となっているのが、スウェーデン育ちのコソボ代表DFイブラヒム・ドレシェヴィッチ(FC町田ゼルビア)だ。今季J1初昇格のチームに加わると、すぐにDFラインのリーダーに君臨。身長188センチの高さと抜群の読みで相手の攻撃を防ぐとともに、抜群のボールテクニックとパスセンスで攻撃の起点となり、開幕3勝1分け首位スタートに大きく貢献した。チーム全体としての激しいプレッシングに注目が集まるが、「最後尾にこの男がいるからこそ」と思えるほど、レベルの高い「本物の」プレーを披露している。年齢的もバリバリの27歳。間違いなく、頭に大が付く「当たり」の補強だ。
3人目の「本物」を挙げるなら、セルビア人FWチャヴリッチ(鹿島アントラーズ)だ。身長186センチの大型アタッカーで、チーム始動後に獲得を発表して1月30日にチームに合流すると、すぐに高い実力を見せ付けて前線の軸になった。セルビア人特有の肉体的な強さと足元の技術を持ち合わせ、開幕戦でいきなり1ゴール1アシストの鮮烈デビューを飾ると、第4節の川崎戦では長距離ドリブルでの同点弾で勝利に貢献した。突破力と得点力を兼備する万能型アタッカーとして複数ポジションにも順応しており、“鈴木優磨頼み”と危惧されたチームの攻撃の幅を広げ、攻撃の質をワンランクアップさせている。