その他では、ブラジル人MFヴィトール・ブエノ(セレッソ大阪)の鮮やかなプレーが目を奪う。まだ途中出場3試合でスタメン出場はないが、第4節のサガン鳥栖戦では後半開始から出場すると、その3分後に高難易度のテクニカルな左足ドライブシュートで初ゴールを奪うと、後半19分にはセンスを大いに感じさせる絶妙のスルーパスでアシストも記録した。実力は間違いなく「本物」だ。同じくブラジル人のFWウェルトン(ガンバ大阪)も期待感タップリだ。第4節のジュビロ磐田戦で左ウイングとしてスタメン出場すると、前半こそ大人しかったが、後半はスピードを生かしたドリブルで幾度となく左サイドを突破してスタンドを沸かし続けた。“ポヤトスガンバ”が戦術的にも欲していた縦に勝負できるウインガーであり、今後も攻撃のキーマンになるはず。両者が激突する5月6日の第12節の大阪ダービーが、今から楽しみだ。

 一方、その実力がベールに包まれたままで、今後の活躍も「怪しい」と思われている新外国人もいる。

 その筆頭、大物として期待されていながら、故障によってデビューが遅れているのが、現役ノルウェー代表FWオラ・ソルバッケン(浦和レッズ)だ。セリエAのローマからのレンタル移籍で加わった身長189センチの大型アタッカーは、チーム合流後のキャンプで“違い”を見せて練習試合で45分間プレーしたが、その後は故障によって別メニューが続いている。気になるのは2024年6月30日までという短い契約期間。持っている能力に疑いの余地はないが、本人のモチベーションが低ければ、それに見合った活躍はできない。チーム全体として徐々にヘグモ新監督の戦術が浸透して来ており、ソルバッケンのデビューが遅れれば遅れるほど、選手層が厚いチーム中で無理に起用する必要はなくなって来る。

 ブラジル人MFゼ・ヒカルド(川崎フロンターレ)はどうか。リーグ開幕直前のスーパー杯でアンカーの位置に入って献身的なプレーぶりで90分フル出場を果たしたが、開幕後は2試合にベンチ入りも出番なしで、その他の2試合はベンチ外。背番号6を与えられ、レギュラーとしてフル回転が期待されていたが、チーム内の序列は低いままでリーグ戦出場0試合となっている。ただ、川崎が開幕1勝3敗スタートと躓き、その原因として守備の“緩さ”が指摘されている中、中盤の守備力アップのためにゼ・ヒカルドが起用される可能性はある。自身のコンディションを上げながら、今後の逆襲に期待したい。

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新助っ人が揃って戦力になれていないのは…