記者も個人で楽しむために、猫ミームを作ってみた。著作権に配慮して、フリー素材でアレンジした一部をお見せします

猫ミームとは「水戸黄門」

 ミームがここまで増殖した背景には、動画として「つまらない」と判断されるリスクが低いからではないかという。

「素材になる動画は、猫の動きとBGMが同じのいわゆる”定型“。登場人物のシチュエーションがわかりやすく、起承転結がはっきりしています。ストーリーは違っても、同じキャラクターが登場するので、誰が作っても同じジャンルの動画を見ている感覚になるのではないでしょうか」

 テレビでいうならサザエさんや水戸黄門を、YouTubeでいうならお気に入りのYouTuberのチャンネルを見ているような安定感がある。

 ただし、3月下旬時点で「既に飽和状態にある」と廣瀨さんは見ている。

「膨大な数がありますし、企業が広告にしようにもタイムラグや著作権の問題があるので実現するのは難しい。猫ミームの流行は一過性だと思います」

記者が作った渾身の「猫ミーム」、お見せできないのが残念ですが、せっかくなのでフリー素材で置き換えてみました。「猫」この崖っぷち感、伝わりますか?

猫ミーム祭りに参加したい

 これまでも、猫はさまざまな形でネットを席巻してきた。古くはアスキーアートのギコ猫がいたし、胴が長く伸びた白猫など有名ないくつかの写真からはたくさんの猫コラ画像が誕生した。猫ミームの新しさは素材が動画になり、物語性を帯びたことだろう。

 記者は、猫ミームに大いに救われた。だから、猫ミームが飽きられてしまうのは、ちょっと寂しい。

 今のうちに猫ミーム祭りに参加したくて、無料の動画編集アプリを使い、猫ミーム動画を作ってみた。テーマは「朝起きられない日」。最初はアプリの使い方にてこずったが、覚えれば簡単だ。3時間ほどでそれっぽい動画ができた。

自分の日常のしょうもないため息を、慣れ親しんだ猫たちが代弁してくれると思うと、ちょっと人生が愛おしく、そしてマシになった気がした。

(編集部・井上有紀子)

NyAERAオンライン限定記事

フリー素材で表現してみました。「猫ミーム」があると、日常がちょっとマシになった気がするのです