なお『MLB.com』の予想では、1位が昨シーズン最多勝と奪三振王となった剛腕スペンサー・ストライダー(ブレーブス)、2位がリーグ屈指の技巧派であるローガン・ウェブ(ジャイアンツ)、3位が2021年に奪三振王となり、同賞の投票で2位となったザック・ウィーラー(フィリーズ)、そして4位にルーキーイヤーだった昨年に“お化けフォーク”を全米にもとどろかせた千賀滉大(メッツ)が続いている。(千賀は右肩を痛め5月に復帰予定)

 ベッティングサイトなどで見ても、1位に推されているのは山本と同じ25歳のストライダーだ。『MLB.com』が触れていない投手では、ザック・ガレン(ダイヤモンドバックス)、マックス・フリード(ブレーブス)などがライバルとなりそうだが、抜けているのはストライダーのみといった感じ。千賀などNPBで結果を残した投手が即メジャーリーグで結果を残していることが多いこともあり、山本も5、6番手という評価が多い印象だ。

 山本がプレーするドジャースの本拠地ドジャー・スタジアムはパーク・ファクター(球場ごとの得点の入りやすさ)と呼ばれる指標ではメジャー全体で19位となっており、どちらかというと「投手有利」。気になるのはデーブ・ロバーツ監督の投手交代のタイミングが早いこと。初めて沢村賞に輝いた2021年に6完投を記録するなど、スタミナもある山本だが、ドジャースでは球数を少なくした“省エネ”投球も成績を伸ばすカギとなりそうだ。

 オープン戦ではメジャー7年目の大谷が8試合で打率.500(22打数11安打)、2本塁打、9打点と好調だった一方、ルーキーの山本は3試合に投げて防御率8.38と明暗が分かれた。2人ともに大きなインパクトを残せる力があるだけにシーズンでは果たしてどうなるか。まもなく韓国で開幕する試合から目が離せない日々が続きそうだ。