他のMVPを予想する記事やベッティングサイトなどを見ても、順位が入れ替わるものはあるが1、2位はベッツとアクーニャの2人が占めている。選手の総合的な価値を示すWARという指標でも野手部門では昨年は1位がベッツ(8.3)、2位がアクーニャ(8.2)。年齢的にもベッツが31歳、アクーニャが26歳とキャリアハイを残す可能性もあり、彼らを“2強”と呼んでもよいだろう。
大谷は2人に続く3番手という評価がほとんどだが、ベッツ、アクーニャ以外にもナ・リーグにはMVP候補となる能力を持つ選手が非常に多く、大谷のライバルは多いという印象だ。
ブレーブス時代の2020年にMVPとなり、今季からドジャースで同僚となったフレディ・フリーマン一塁手はもちろん、アクーニャと同じく走攻守揃った外野手としてポテンシャルはメジャー屈指のフェルナンド・タティスJr.(パドレス)、昨シーズン史上14人目の満票で新人王となったコービン・キャロル(ダイヤモンドバックス)の2人は昨季のアクーニャに劣らぬ成績を残せる可能性のある逸材だ。
また、昨シーズンにナ・リーグ本塁打王となったマット・オルソン(ブレーブス)、ピート・アロンソ(メッツ)、ブライス・ハーパー(フィリーズ)はMVP争いとともに2年連続の本塁打王としてのライバルにもなりそうだ。
今シーズンはDHとしての出場となり、投手としての貢献がない分、大谷は相当な成績を残さなければMVPを獲ることはできないだろう。加えて、同じリーグにはライバルも多く稀に見る激戦になる可能性もある。仮に今シーズン3度のMVPになることができれば、誰もが認めるリーグの顔になるだろう。
一方、山本のサイ・ヤング賞について現地はどう見ているのか。
『MLB.com』の予想では新人ながら5位の評価を受けている。昨年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)でのピッチングや、25歳という全盛期とも言える年齢など触れ、「サイ・ヤング賞の力量」はあるとしている。