では具体的にどう支えたら良いのか。

 まずは、目指す方向を早めに定めること。漠然と受験勉強するのではなく、志望校を早めに決めたほうが、効率の良い勉強ができる傾向にある。得意科目を生かせる入試がある学校に焦点を定めるなども手だ。息子2人の公立大医学部現役合格を支えた子育てアドバイザーの藤田敦子さんは言う。

「目標が早めに定まると、あとは勉強に集中できます。方向性が漠然としている場合には、将来どうしたい? 大学でどんなことを学びたい?と聞きながら、具体的なことを親子で一緒に詰めていけると良い。そのためには、信頼関係が必要です」

常に一番の味方でいる

子育てアドバイザーの藤田敦子さん(中央)と医学部現役合格を果たした息子2人。「働く親は、学費を稼ぐために働く自分を偉いと褒めましょう」(藤田さん)(写真/藤田さん提供)

 藤田さん流の信頼関係を築くコツは、子どもがやりたいことは積極的に応援してやらせること。藤田さん自身、息子が高2の時、体育祭の応援団長と文化祭のリーダーを兼任することについて、塾の先生に「受験勉強の妨げになる」と猛反対されたが、塾には「家庭の方針です」と説明し、息子の意見を尊重した。息子はやりたいことを全力でやり切れたことで、その後は勉強に集中、現役合格を果たした。息子からは「常に一番の味方でいてくれたことが心強かった」と言われた。

「子どもが最後まで頑張るためには、学校、塾、家とそれぞれに居場所があることが大切。親が一方的に禁止事項を作って抑え込むのではなく、『合格したいなら、どうやったらできると思う?』と話し合って、子どもの意見をしっかり聞くことが大事です」(藤田さん)

 目標を決める際には、合格をゴールにするのではなく、卒業後のことまで考えた上で方向性を定められると良い。前出のmarimcreamさんは言う。

「大学名や学歴を最終ゴールにせず、こうなりたいという“その先の道”を描くことが大事。特定の大学への合格のみを目指して頑張ってきた子ほど、不合格だったときに心が折れてしまう傾向があります。道は一つではないという広い視点での希望がないと、いざという時に切り替えができなくなる」

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