稲田朋美氏(撮影/上田耕司)

支持率低迷の岸田首相に思うこと

岸田首相は先頭に立って岸田派を解散し、マスコミにもフルオープンする形で、自ら『政倫審』にも出席しました。メディアでは『孤立している』『指導力不足』などと批判されますが、私は自分の意志で行動するリーダーとして高く評価しています。“根回しがうまい“ことがリーダーの資質、というのは昭和の時代の話です。一緒に食事をしたこともありますが、その席でも、岸田首相は人柄がよく、政治家のイヤな面がない。安倍元総理のほうが“政治的”だったかもしれませんね(笑)。次期総裁選で立候補するか? それは考えていません。ただ衆議院議員である以上総理を目指すことは当然だと思います。今は派閥に関係なく、思想信条や政治家としての姿勢が一致する人たちと仲間づくりをしていきたいと思っています。私は安倍元総理がいらっしゃらなかったら100%政治家にはなっていません。その意味で安倍元総理が亡くなられた今、いつやめてもいい覚悟で、言うべきことは言い、正しいと思うことは恐れずに行動していきます」

 自身の裏金問題、安倍派の解散と暗い話題が多いなか、稲田氏が前向きに取り組んでいることがある。地元・福井で北陸新幹線の開業と合わせて開催される「ふくい桜マラソン」(3月31日)への参加だ。稲田氏にとって、2度目のフルマラソン参加となる。

「昨年の北海道マラソンが初マラソンで、記録が5時間1分。なので、5時間を切るのが目標です。練習は朝、日の出とともに走っています。走ることで健康になるし、あまり疲れなくなりましたね。ランニングのために時間を無駄にしたくないから、お酒も飲まなくなりました。朝の日差しを浴びて走るのって精神的にもすごくいいんです。仕事でイヤなことがあっても前向きになれるし、いいアイデアが湧いてくることもあります」

 苦しい局面こそ、強い精神力が試される――それは政治家もランナーも同じかもしれない。

(AERA dot.編集部・上田耕司)

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上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

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