パ・リーグでもう一人、レギュラー獲得への機運が高まってきたのが黒川史陽(楽天)だ。1年目から二軍で3割近い打率を残すなどその打撃センスの高さには早くから注目が集まっていたが、なかなか一軍定着を果たすことができず、過去4年間での通算安打は32本、打率は.184という寂しい数字に終わっている。ただ昨年も二軍では両リーグでトップとなる104安打を放ち、打率も3割を超えるなどその力は既に二軍レベルではない。今年は浅村栄斗がサードにコンバートされ、セカンドのポジションが空いたのも黒川にとっては大きな追い風である。チーム事情を考えても、今年が大きな勝負の年となることは間違いないだろう。

 2人のルーキーを含めて若手を中心にピックアップしたが、昨年の木浪聖也(阪神)のようにかつてのレギュラーが盛り返してくるパターンも当然考えられ、移籍した西川遥輝(ヤクルト)などもここまで順調なアピールを見せている。彼らのように中堅、ベテランからも意外な選手が飛び出してくることも期待したい。(文・西尾典文)

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。
 

著者プロフィールを見る
西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

西尾典文の記事一覧はこちら
暮らしとモノ班 for promotion
石破首相も大好き!鉄道模型ジャンル別人気ベスト3