年齢とともに朝が早くなるというが、確かにその傾向があるわけだ。また、地理も要因の一つに。

「同じ標準時刻を使う場合、太陽が早く昇る東に行くほど朝型、西に行くほど夜型の傾向になり、例えば沖縄よりも北海道のほうが朝型になりがちといえます。なお、ドイツの調査では都会ほどこの差が縮まると報告されています。人工照明を多く用い、社会的スケジュールに沿う生活で自然の影響が薄まるようです。一方、緯度が高くなるほど夜型が増えるといわれ、これは季節で日照時間が大きく変わるため、不規則な生活に合わせやすい夜型に〝適応〟するのではと考えられています」

 つまり、地理的要因は太陽の光に起因する。体内の時計を合わせるのに最も重要な情報が光であることから、人工的な光も含めていつどれだけ光を浴びるかもクロノタイプに影響する。光を日中に浴びるほど朝型化を、夜に浴びるほど夜型化を強めるそうだ。

自分のクロノタイプに合わない生活を続けると……社会的時差ぼけのリスク

 自分のクロノタイプを知って納得する人は多いと思われる。心配なのはかけ離れた生活を続けた時だが、「弊害が生じることがある」と北村氏が言う。

「特に強い夜型の人が朝型の生活を無理に続けた場合の典型的なパターンがあります。寝ようとしても寝られず朝早く起きる生活が続き、たまった睡眠負債を解消しようと休日に昼近くまで寝る。しかしその晩寝つけず、翌週もまた次も睡眠負債がたまっていく悪循環に陥る。睡眠のタイミングが毎週ずれると、時差のあるところへ毎週行っているような状態に。こうした社会的時差ぼけが最近注目されています」

 時差ぼけのつらさは経験者ならわかるだろう。それが毎週というのはかなりの負担であることは想像に難くない。眠気があったり体調がすぐれなかったり、だけで収まらないという。

「糖尿病、心臓疾患、うつ病などの疾患リスクを高めることもわかってきました。ほかにも仕事のパフォーマンスや、子どもなら成績が下がる要因になるなど、 いろいろな支障が出てきます。睡眠負債や『時差』を無理に戻す負担が大きいと考えられます」

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