できる人は朝が早い。そんなイメージも根強く、そもそも社会は「朝型」有利にできているが、夕方から力を発揮できる「夜型」もいる。活動しやすいタイミングには個人差があるといい、それを示すのが体内時計のパターンともいえる「クロノタイプ」だ。生活とのずれが生きづらさにつながることもあるだけに、ぜひ理解しておきたい。注意したいことは? 自分でコントロールできるのか? 専門家に解説してもらった。
【チェックリスト】多くあてはまる人は自分のクロノタイプと合っていない可能性が
* * *
「朝起きられない」というと往々にして根性論で片付けられてきたが、活動的になる時間帯は人それぞれ違うことが研究で解明されている。朝早いのが苦手、逆に夜遅くまで起きていられないといった場合、自分の「クロノタイプ」に合っていないのかもしれない。
「クロノタイプとは一般的に朝型・夜型といわれるものの専門用語です」と、国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 睡眠・覚醒障害研究部の北村真吾氏が説明する。
「人間は昼行性の動物で、日中は活動に、夜は休息、すなわち睡眠に適した状態にあります。体に備わる体内時計の働きによって、朝になると目覚め、夜は眠くなるのです。しかしそのタイミングは一人ひとりで少しずつ異なり、この個人の時間的なタイミングの傾向、特性がクロノタイプです」
自分のクロノタイプは国立精神・神経医療研究センターがウェブで公開しているセルフチェックツール「ミュンヘンクロノタイプ質問紙(MCTQ)日本語版」(mctq.jp)でも調べられ、質問に答えていくと、「強い朝型~やや朝型~中間型~やや夜型~強い夜型」といった範囲のどこにあてはまるかを教えてもらえる。
「クロノタイプを決めるのは、まず遺伝子。一卵性と二卵性を比べる双子の研究によって、およそ50%は遺伝的に決まるとされています。あとは多様な要因が関わるといわれ、一つは年齢です。10歳ぐらいまでは朝型で、以降急速に夜型化が進み、20歳ごろからはだんだん朝型化する傾向にあります」