結果的にその試合では1/3回を投げて5失点と結果を残せなかったが、キャラクターを含め新たに来日した助っ人では人気の存在となるポテンシャルを秘めている。

「いつも陽気で常に歌を口ずさみ、時にはダンスも踊っている。チーム関係者だけでなくファンやマスコミにも気さくに声をかけるなど、人気が出るのが理解できる」(西武関係者)

 しかし、そのパフォーマンスが“アダ”になりかねないという懸念も出ている。それは、野球界にはホームランを打った時や投手が相手打者を抑えた時に過度に喜んだりしてはいけないという“暗黙の了解”である不文律が存在するからだ。

 過去にもロッテの神戸拓光が当時西武のエースだった涌井秀章(現中日)からホームランを打った後に大はしゃぎ。ロッテファンで埋まる一塁側のスタンドに“M字開脚”を見せるなど、度を越した喜び方で西武ベンチの怒りを買った。

 次の打席で神戸はホームランを放った涌井から3球続けて内角を攻められた後、死球を受けて両軍ナインによる乱闘騒ぎにまで発展したこともある。また、乱闘にはつながらなかったものの、打者を抑えた後に雄たけびなどをあげ、打者が投手に怒りをあらわにする場面というのはこれまでも決して少なくない。

 ヤンのパフォーマンスも状況や相手の打者の気持ち次第では、挑発的と取られてもおかしくないもないが……。

「最近はパフォーマンスを行う選手が増え、中には少し前なら報復行為にも発展するようなものもある。しかし今は侍ジャパンやオフ期間の合同自主トレなどで球団間を超えて仲の良い選手が多い。よほど悪意があるものでなければトラブルにはならないだろう」(西武関係者)

 多少のリアクションでも乱闘につながるケースのあるメジャーリーグではヤンのパフォーマンスは“アウト”な気もするが、NPBではどんな受け止め方をされるのか。見ていて楽しい投手であるのは間違いないが、度を越したパフォーマンスを「大丈夫かな」と心配するファンも多い。

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