過去に入国拒否を受けた女性の中には、丸一日拘束され、手錠や腰縄、足枷などをつけて別棟の部屋に連れて行かれた人もいる。取り調べ中に机を強く叩かれたり、髪の毛を引っ張られたり、人権侵害のような言葉を浴びせられたりした人もいるが、取り調べの記録には、審査する側のそうした言動は一切残らないのが通例だ。
また、売春目的で入国しようとした女性の中には、何と「膣の中まで検査された」という女性もいる。過去にアメリカで接触したことのある客の中に、麻薬の密売人と思われる人がおり、売春の前に薬物犯罪を疑われたケースだ。「薬物をどこかに隠しているのではないか」と服を全部脱がされ、身体検査で膣の中まで調べられたという。さらに売春目的であることをうまく隠して入国できたとしても、出国時に別室に呼び出され、スマホのGPSの記録から「あなたはずっと売春宿で滞在していただろう」と厳しく詰問された人もいる。
「審査は年々厳しさを増している印象で、今後も手を緩められることはないだろうと思います。過去に売春で捕まったことのある女性と一緒に撮った写真がインスタグラムで見つかっただけで、婚約者と一緒にハワイに渡航した際に入国拒否を受けた女性もおり、事態は深刻です」(佐藤さん)
取り調べは入国先の言語で行われるため、現地の言葉が話せないと、いくら潔白でもまともに反論すらできない。結果的に泣き寝入りするしかなく、渡航費を無駄にし、帰国を余儀なくされる例も出てきている。
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