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 20代~30代半の日本人女性たちが、アメリカ入国時に売春を疑われストップをかけられる例が一定数あるようだ。その中には、普通の会社員や学生で性風俗業とは縁がない女性もいるという。アメリカの入国審査の現場で何が起きているのか。松岡かすみ記者がまとめた朝日新書『ルポ 出稼ぎ日本人風俗嬢』から一部を抜粋、再編集して紹介する。
 本書では、違法である性風俗業での海外出稼ぎの実体験のみならず、出稼ぎがはらむリスクやそこに至る社会的要因などを多方面から取材。個人の責任如何でなく、現代日本社会全体で考えるべき問題を提起している。

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日本は不法就労を疑われる国に

「2020年末ぐらいから、“売春疑いで入国できない”という若い日本人女性からの相談が相次いでいます」

 こう話すのは、アメリカのビザに詳しい行政書士の佐藤智代さん。それまで売春疑いの入国拒否に関する相談は、年間4~5件ほどが相場だったのが、最近では多い時で1カ月に8件の相談が来るほどに急増しているという。

 佐藤さんの元に「入国できない」と相談に来る女性は、本当に売春や不法就労が目的だった人もいれば、ただ観光目的で入国しようとした人もいる。年齢は20代~30代半ばが多く、水商売や性風俗の仕事をしている人もいれば、昼は事務職でたまに風俗の仕事をしている人、キャバクラ勤務やパパ活などでお小遣い稼ぎをしている人などさまざまだという。もちろん普通の会社員や学生で性風俗業とは全く縁がないといった女性もいる。相談者の多くが“単身で”入国しようとした女性だ。

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日本人を接客したくない