平良は昨シーズンリリーフから先発に転向し、11勝7敗、防御率2.40という見事な成績を残した。150回を投げて153奪三振という数字も立派である。与四球が多いというのは少し課題だが、リリーフとしての実績は申し分なく、先発としての調整に慣れた今年はさらに成績を伸ばす可能性も高い。佐々木、山下と投手タイトルを争う存在になりそうだ。

 他にも昨年の投球を見れば東克樹(DeNA)、宮城大弥(オリックス)、さらにポテンシャルの高さを考えれば高橋宏斗中日)なども候補となる。また昨年の山下、村上のような新星が飛び出してくることも十分ありえる話だ。山本がいなくなってもハイレベルな沢村賞争いが繰り広げられることを期待したい。(文・西尾典文)

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

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