エマニュエル・トッド氏

 しかし今、支配者層、ワシントンの人々、この世界をリードする人々、ジョー・バイデン、彼の安全保障顧問のジェイク・サリバン、トニー・ブリンケン、ヴィクトリア・ヌーランド、そして彼女の夫であるロバート・ケーガンといった人々は無責任であり、恐ろしい存在です。

 私にとっては、西側がウクライナ戦争に勝つか、ロシアが戦争に勝つかというのはどうでも良いのです。もっと一般的に言うと、西側のネガティブな動きを考慮すれば、ウクライナ戦争とは関係なく、アメリカのさらなる悪化に備えなければならないということです。

 無責任なインテリやケンブリッジの学者のようなことを言って申し訳ないですが、私はフランス市民として、そして世界市民として、私たちの前にある歴史の動向に、心から怯えているのです。

 ――そのお答えは次の質問につながるのですが、2024年以降の世界についてお尋ねします。リベラルな寡頭制の次に来る世界システムについてどのように考えていますか。

エマニュエル・トッド:ここ数年で、アメリカを分析する際にある言葉が頻繁に登場するようになりました。

 これは、私が考えた言葉でも、個人的に導入した新しい概念でもないのですが、かなり多くの本で目にする概念です。それを「封建主義」と言います。

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