よく「子どもには毎日時間を決めて規則正しい生活をさせたほうがよい」といわれています。しかし、同じことの繰り返しは、むしろ脳の発達を低下させる恐れがあります。たとえば、公園に通うのでも、昨日が近所の公園なら、今日はバスに乗って、遠くの公園へ行ってみる。時には海岸に行ったり、森へ行ったりすることが、子どもには必要です。

 食べ物でも、できるだけ多くの種類、いろんな味を体験させるべきです。そして、たくさんの人と出会わせて、いろんな言葉を聞かせることも脳の成長に繋がります。さまざまな物や動物を触ったときの感触、温度、匂いなども、脳の成長にとってはいい体験です。五感を通して、脳にどんどん情報を送り込むことが大切なのです。

 教育者の間では、「3歳までにいろんな体験をさせて、6歳までに上手に社会参加ができるようにして、8歳までにIQを高めて思春期に備えることが大切だ」といわれています。

 これは8歳までに一番多くシナプスが作られるためで、8歳以降は使わないシナプスは消滅するといわれています。その頃から得意・不得意、好き・嫌いがはっきりしてくるのです。だから8歳になるまでに、できるだけ多くの物を見せ、聞かせ、触らせ、人に会わせてシナプスを複雑にしていくことが必要です。そうすると8歳以降に、徐々に取捨選択をするようになったとき、選択肢の幅が広がります。それによって、子どもの可能性も広がるのです。

 もちろん個人差もあるので、なかなか計画通りにはいきません。それでも私は、息子たちの脳の発達段階を意識して、できるだけ多くの刺激を与えるようにして、彼らの成長を見守ってきました。

 好奇心が旺盛で、何事にもポジティブで物怖じしない子どもに育てるためには、幼児期の豊富な体験が欠かせません。子どもの可能性に蓋をしないためにも、子どもには多くのものを見せて、聞かせて、触らせて、人に会わせて、世の中を見せてあげたいものです。

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興味のあることを続ければ「集中力」は身につく