セ・リーグの残る2球団は監督、ピッチングコーチの選択が注目となる。広島は栗林良吏が昨年故障で出遅れ、調子が上がらない時期には矢崎拓也がその穴を埋めた。DeNAも山崎康晃が打ち込まれる試合が目立ち、シーズン途中からは森原康平がクローザーを務めている。実績を考えると広島は栗林、DeNAは山崎というのが最初の選択肢となりそうだが、これから開幕に向けて打ち込まれるようなことがあれば、再びクローザー交代ということも十分考えられるはずだ。両チームともリリーフの層は決して厚くないだけに、まずは栗林、山崎の完全復活が大きなポイントとなるだろう。

 一方のパ・リーグで最も安心して抑えを任さられるのがソフトバンクのオスナだろう。ソフトバンク移籍1年目の昨シーズンも体調不良で離脱した時期はあったものの、3勝、26セーブ、12ホールドをマークし、防御率0.92、WHIP(1イニングあたりの被安打+与四球)は0.69と見事な成績を残した。スピードだけでなく制球力も高く、その安定感はパ・リーグのクローザーでもナンバーワンである。

 これまでの実績は抜群だが、年齢的に少し不安が残るのがオリックスの平野佳寿だ。昨シーズンは日米通算250セーブを達成し、29セーブをマークして防御率1.13と相変わらずの安定感を誇るものの、今年3月で40歳という年齢を考えるとそろそろ後継者も必要な時期と言える。しかしチームとしての救いは宇田川優希、山崎颯一郎などその候補が充実しているという点だ。今年は山本由伸(ドジャース)と山崎福也(日本ハム)とローテーション投手が2人抜け、リリーフ陣への負担も大きくなることが予想されるだけに、平野はもちろん、それに次ぐクローザー候補にかかる期待も大きい。

 実績のあるクローザーはいるものの、オリックス以上に役割の交代が起こる可能性が高そうなのが西武ロッテだ。西武は増田達至が昨年防御率5点台と大きく成績を落とし、かつてのような安定感がなくなった印象が強い。これが初めての低迷でなく、2018年、2021年も不振に陥っているのも気になるところだ。山川穂高の人的補償で甲斐野央を獲得できたのはそういう意味でも大きなプラスと言えるだろう。

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