松井秀喜氏が巨人の春季キャンプで臨時コーチを務めたことが大きな話題となった。改めて松井氏の存在が球団にとって大きいことが認識されるとともに、将来的な指揮官就任を望む声が再び大きくなってきているという。
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「偉大なOBを迎えるには、ちょっとレッドカーペットが短いかな」(松井氏)
2月10日、サンマリンスタジアム宮崎にゴジラのテーマ曲が流れる中、ゆっくりと手を振りながら登場した。6年ぶり4度目の巨人キャンプ訪問、レッドカーペットは阿部慎之助監督と交わした“約束”が果たされた形だ。
「現役時代から周囲が望むことをやってくれた。契約更改後にカメラの前でおもちゃのバズーカ砲を打つのはお約束。プレーはもちろんサービス精神旺盛で周囲を明るい雰囲気にしてくれる根っからのスーパースター」(元巨人担当記者)
松井氏の滞在期間は5日間だったが、自身と同じ「背番号55」を背負う秋広優人をはじめ多くの選手に積極的に指導を行っていた。
「衝(笑)撃的なグランド登場セレモニー後には秋広へ30分以上の直接指導をした。阿部監督から情報を詳細に仕入れており、構えや重心移動について的確なアドバイスだった。秋広本人も指導後には納得した表情だった」(巨人関係者)
現役時代に日米で活躍した松井氏は“教えること”についての評判も非常に良い。「自身の考えを素早くまとめ論理的に話すことができるので指導者向き」と言われている。
「ジョーク好きで皮肉めいたことを多く言えるのも頭の回転が速いから。実績や年齢に関わらずフラットで丁寧に指導するのでわかりやすいと評判。遠慮なく何でも聞けるので若手にとっては素晴らしい経験だったはず」(巨人OB)
引退から長い時間が経ったが今も現役時代と変わらない人気を誇る。そして壁を作らず周囲に明るい雰囲気をもたらす人間性。Z世代との接し方に苦労している人たちは多いが、松井氏は世代間を超えた良い指導者になれそうだという声も多い。
「対照的に阿部監督に心配の声も上がりつつある。(阿部監督は)根っからの野球人で勝負師なので勝ち負けが絡むと熱くなる。実戦形式が増えるにつれ、そういった部分を露呈するようになりカメラも表情を追うようになった」(在京テレビ局スポーツ担当)