戴冠式の「忠誠の誓い」でチャールズ国王の耳元でささやくウィリアム皇太子。その言葉に国王は目を潤ませた(代表撮影/ロイター/アフロ)
戴冠式の「忠誠の誓い」でチャールズ国王の耳元でささやくウィリアム皇太子。その言葉に国王は目を潤ませた(代表撮影/ロイター/アフロ)

 メーガンさんはこれまで王室イベントに自分の動向を重ねることが多かった。今回のタイミングでも大手芸能事務所との契約を発表し、戴冠式当日には1枚の写真を友人の写真家のインスタを通して投稿した。それは4歳の誕生日を迎えたアーチー王子の最新画像ではなく、ドキュメンタリー番組の中でアーチー王子がダイアナ元妃の写真を指さしているものだった。国王夫妻への嫌がらせだろうか。

 また、その翌日には近くの山を友人らと散策している写真をアップ。ダイアナ元妃のカルティエの時計など、ハイキングにはふさわしくない高価なブランドを身に着けていた。シャツの下のおなか部分が膨らんでいたため、腹部をへこませる器具に違いないとうわさされたりもした。

 74歳の国王と75歳の王妃が船出した。国王は、偉大な母と人気の高いウィリアム皇太子の間に挟まれた「つなぎ役」で終わりたくないはず。最大の敵は「時間」だ。国王はスピード感を持って矢継ぎ早の王室改革に取り組むだろう。皮肉にもウィリアム皇太子は、もういつでも国王になれると、父の戴冠式で示したのだった。(ジャーナリスト・多賀幹子)

AERA 2023年5月22日号より抜粋

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多賀幹子

多賀幹子

お茶の水女子大学文教育学部卒業。東京都生まれ。企業広報誌の編集長を経てジャーナリストに。女性、教育、王室などをテーマに取材。執筆活動のほか、テレビ出演、講演活動などを行う。著書に『英国女王が伝授する70歳からの品格』『親たちの暴走』など

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