戴冠式後、バッキンガム宮殿のバルコニーから国民に手を振るチャールズ国王とカミラ王妃(写真:AP/アフロ)
戴冠式後、バッキンガム宮殿のバルコニーから国民に手を振るチャールズ国王とカミラ王妃(写真:AP/アフロ)

 ウェストミンスター寺院の最前列に座ったウィリアム皇太子一家の存在感は圧倒的で、チャールズ国王の戴冠式ではあるけれど、「ウィリアム皇太子一家は国王一家になる準備ができている」とイギリスのメディアは書いた。

不満げなヘンリー王子

 一方で、戴冠式に影を落としてきたのがヘンリー王子(38)とメーガンさん(41)だ。出欠の回答が届いたのは締め切りを10日近く過ぎたころで、彼らが出した結論は、ヘンリー王子は参列するがメーガンさんはアメリカにとどまる、というものだった。メーガンさんの欠席理由は、イギリスに行っても自分にはなんのメリットもないから。行く方が行かないよりもダメージが大きいとの判断だった。昨年6月、女王のプラチナジュビリー参列の際は、一般市民からのブーイングが鳴り響いたが、繰り返されればブランドに傷がつく。

 さらに、メーガンさんは参列の場合、カミラ王妃とキャサリン皇太子妃にコーテシーをしなくてはいけない。かつて「私はアメリカ人だからハグするわ」と言い放ったが、今回はさすがにそういうわけにもいかないだろう。

 それで、ヘンリー王子は単独でウェストミンスター寺院に入場した。足を交差して体をねじるように奥へと進む。「懐かしさと同時に、ここにはもう自分の居場所はない」と実感した複雑な気持ちが見て取れると心理学者は解説した。席順は前から3列目で、右隣はユージェニー王女(33)の夫(王位継承順位はなし)ブルックスバンク氏、左側はエリザベス女王のいとこアレクサンドラ王女(86)だった。当初は「10列目に違いない」「アイスランド席がお似合い」といわれていたから、3列目は悪くないはずだ。しかし、不満はあったのだろう、ブルックスバンク氏に、「彼らのやり方にはうんざりだ」と話しかけたとリップリーダーが読み解いた。

ダイアナ元妃の写真を

 王子は戴冠式が終わるとまるで逃げるかのようにアメリカに帰った。ヒースロー空港に車で向かったが、途中でバッキンガム宮殿に30分ほど立ち寄っている。国王とも兄とも言葉を交わした様子はない。「何のために来たのか」と人々はいぶかしがった。

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