麻雀女流プロ 内山えみさん/この日連盟の道場で麻雀を教えていた女流プロは内山えみさん。友人が家に忘れていったゲーム機の麻雀ゲームが麻雀との出会いだ(撮影/福光恵)

「例えば大きな手をバーンと狙うより、安い手を何度もコツコツと狙うような打ち方が主流になりました。細かく勝っていくことで、負ける回数も減る。合理的なんですよ」(同)

 そう言われてみると、自分は大きなアガりを狙うあまり、人に振り込んでしまうことも多い、典型的な非合理打法。意識改革が必要だ。というわけで、麻雀が初体験という担当デスクのKさんと2人、カルチャーセンターや市民講座、独自の麻雀教室など、全国で150以上の教室を展開する「ニューロン麻雀スクール」の扉を叩いた。頼もう~!

 十数年ぶりのリアル麻雀で、点数計算のやり方をすっかり失念。同じ卓になった小学生の男子に、「捨て牌はまっすぐ置いて捨てましょう」などと注意されながら点数計算を助けてもらったりして、リアル麻雀を満喫することができた。ところでこの小学生男子が麻雀を始めたのは、4歳から。

「普段はネットでやってるけど……やっぱり本物で打つ方がずっとおもしろいと思います」

 ネットのゲームとはまず緊張感が違う。同じ卓の誰かがロンと言うんじゃないかという冷や汗ものの恐怖のなか、恐る恐る捨て牌を置くときのスリルとサスペンス。つい大きな手を狙いたくなる性分を抑えて、コツコツコツコツ。テレビを見ながらの「ながら打ち」でもできてしまうネットの麻雀とは、まったくの別物だ。

 そういえばと思い出して、Kデスクを捜すと、汗をふきふき先生にルールを教えてもらっているところだ。

「デイトレーダーで、麻雀で相場の勝負勘を養おうと学んでいる人もいるそうですよ」

 そうそう。やっぱり夢は、できるだけ大きく……じゃなかった。コツコツコツコツ!(ライター・福光恵)

AERA 2024年2月26日号より抜粋

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