そして、もう一つ、重要なことがある。それは、立憲の改革案が若手主導でまとめられたことだ。幹部の中には渋るものもいたが個人のパーティー券購入まで禁止とできたのは、彼らの力なのだ。自民党の若手がほとんど声を上げられないのに比べて、なんと頼もしいことか。
実は、立憲では、民主党政権が終わってから国政に入った議員が6割に達している。もはや彼らには「悪夢の3年」と安倍晋三元首相に揶揄されたトラウマはない。だから、思い切った意見を言えるらしい。
今回の提案合戦で、維新の「唯一の改革政党」というキャッチフレーズは地に落ちた。
代わって立憲が「我こそ真の改革政党」という旗印を掲げるときだ。
この先、野党間で足並みを揃えるためには、立憲が大幅に譲歩することが求められるかもしれない。それを許せば、またしても政治資金改革は中途半端なものに終わり、自民党の利権政治は温存されることになるのは必至。何としても初心を貫いて欲しい。
ただ、少し心配なことがある。
それは、立憲がこれほどまでに尖った提案をしているのに、それをマスコミが大きく取り上げないことだ。その原因の一つとして、立憲の幹部がこれを強くアピールしていないことがある。改革で後ろ向きな姿勢を見せる維新と戦う姿勢を見せればいいのにと思うのだが、どうしても歯切れが悪い。
選挙協力を得るためという口実で、裏で談合し、結局、個人向けパーティー券販売を許したり、幹部への渡し切り資金を認めたり、公開に制限をつけたりするなどの落とし所に辿り着くことを立憲の一部の古参幹部が狙っている。そんなことをつい心配してしまう。
そこで提案だ。
国民が、立憲の改革案を大々的に評価し、それをサポートするという意思表示を行ってはどうか。「最後まで頑張れ!」と応援しつつ、「一歩でも後退したら選挙で投票しないぞ!」と声を上げるのだ。
中途半端な妥協をするくらいなら、今国会での政治資金規正法改正案がまとまらなくても良い。
むしろ、次の解散総選挙において、この点を争点にし、政権交代ないし伯仲国会を目指す。その先で、妥協のない改革を実施すれば、はるかに日本の民主主義のためになるだろう。