立憲民主党の岡田克也幹事長=2023年12月28日

 ちなみに、維新は「透明化」とは言っているが、領収書は必要としつつも公開には後ろ向きだ。「政治資金収支報告書にはすべて記載するものの、氏名や住所などについては一部あるいは全部の非公開も選択できることとする」とまで書いた。全く腰砕けである。

 政治家は、人に言えない政治工作を行う必要があるというのが永田町の常識だ。しかし、国民や有権者あるいは献金者は、人に言えない政治工作などやらないで欲しいと考える。当たり前のことだ。

 自民も維新も国民目線とはかけ離れている。政策活動費がこれだけ問題にされているのにまだその温存を企むのは、よほど人に言えない汚い金の使い方をしたいのだと疑われても仕方ない。

 では、立憲はなぜ簡単に幹部への巨額の渡し切りをやめると言えたのか。これまでに聞いた話や私の推論でもわからない。そこで、私は、立憲の政治改革実行本部事務局の落合貴之事務局長(衆議院議員、当選3回)に思い切って電話で聞いてみた。

 すると、驚くような答えが返ってきた。

 立憲では岡田克也幹事長が2年前に、幹部への政策活動費の渡し切りをやめたというのだ。だから議論する必要もなかった。

 では2年前にそれをできた理由は何かと聞いたら、よくわからないが、岡田氏が、なくても困らないはずだと言うので、半信半疑でやめてみたら、本当に大きな問題がなかったということだった。

 実は、政策活動費のかなりの部分は、最終的には地方議員の買収や贅沢な飲食費に充てられているという話がある。それは、有権者には内緒にしておきたいということなのだろう。だが、岡田氏は、買収などもってのほか、本当に必要な会議のための飲食でも贅沢は不要だし割り勘でも良いという考え方らしい。

 政治部の記者が「政治には金がかかる」とわけ知り顔で解説するが、金をかけないように努力すればできるのだ。

 久々に聞く痛快な話だった。

 ここまでの話をまとめると、3党の間での政治改革の議論では、完全に立憲の一人勝ちだということになる。国民は誰もが立憲案を支持するだろう。

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立憲が「我こそ真の改革政党」と旗印を掲げるとき