だが、僕の知人がその人と話したときに、その人ははっきり言っていたと。「マインドチェンジしたんだ」と。はっきり言い切ったと。

 これは僕は格好いいと思うんですよね。結局、会社から給料をもらってるわけですから。マインドチェンジしたんだ。俺は“ダース・ベイダー”になったんだと言い切ってるのは、ある意味、実はダース・ベイダーになってないわけで。

 逆に「俺はみんなの味方だよ」と言われるよりも、マインドチェンジしたと言い切られるほうが、その人のことを信用出来ると思うんです。

 心の中まではダース・ベイダーになってるわけじゃないので。逆にこっちの気持ちも理解してくれると思うのです。

老いていると認識したときに楽になる

 自分の立場と自分の状況を理解して、素直に話すことって勇気がいることとは思いますが、

 これからの時代、求められるのはこういう上司なんじゃないかと思います。

 僕も自分でソフト老害だと気づいたから、自分で認めたわけで。でもこういうことって認めると楽なんです。

 老いもそうだと思うのですが、自分が「老いてる」と認識した時に楽になる。明らかに老いてきているのに、それを認めずに抗いすぎていることが、周りから見ると痛々しく見える。認めてくれると、気を遣わずに話すことが出来る。

 だから、大切なのは、今の自分を理解して認めることなんじゃないかと思います。

 ある意味「諦める」ことなんじゃないかと思うんです。諦めることで手に入れることが出来る。「諦める勇気」が未来をつくる。

夫婦そろっての恵方巻き?(鈴木おさむさんのインスタグラムから)
[AERA最新号はこちら]