3大会ぶり5度目の優勝を目指した日本(FIFAランキング17位)は、イラン(同21位)に逆転負けを喫した(写真:AFP/アフロ)

 3日にカタールで行われたアジアカップ準々決勝でイラン相手に1-2で敗れ、ベスト8で敗退となったサッカー日本代表。明暗を分けたものは何だったのか。AERA 2024年2月19日号より。

【写真】厳しい表情で戦況を見つめる森保監督

*  *  *

 今回のアジアカップ敗退は大きなショックを伴うものだった。準々決勝で敗れた直後から森保一監督の解任論がネット上で噴出。それだけ期待が大きかったということだろうが、良いところなく、あっさりと敗れた印象は強い。多くのファン・サポーターが今後に不安を抱くのも当然の敗退劇だった。

 そもそも初戦のベトナム戦から不安要素は見られた。それは「意識」のズレという問題だ。「マネジメント」の問題と言い換えてもいい。

「圧倒して勝たなければいけないみたいなところがどこかあって、前から行く人と慎重に戦うべきと考える人のギャップがあった」

 森保監督はそう言ってベトナム戦前半の劣勢に言及した。実際、相手のフォーメーションとのかみ合わせが悪く、プレッシャーをうまくかけられない中で、それでも前の選手はボールを奪いに行った。圧倒して勝つことを求めたためだ。

 一方で後ろの選手は、前でプレッシャーがかからないため、無闇に最終ラインを上げても背後にボールを蹴られてピンチを招くだけと考えた。だから、その場に留まりバランスを取った。

 チームとして意思統一ができていなかったのだ。

1勝に涙する中東勢

 結果、ピッチでは全体が間延びして日本はボールを奪えず、一時的とはいえ相手にペースを握られることになった。最後は南野拓実(モナコ)や中村敬斗(スタッド・ランス)の個の力によって4-2で勝利を飾ったが、相手の攻撃を受けるしかない時間も長かった。

 意識のズレに加えて、大会そのものについての向き合い方という問題も大きかった。それは森保監督も感じているところだった。

「ワールドカップ(W杯)を経験してのアジアカップであり、普段、欧州のトップのリーグで活躍していて、やっぱり違うモチベーションが必要になる。それに欧州はシーズン中で(選手は)自チームのことが当然気になると思う。チーム立ち上げの時期に当たるJリーグも同じ。代表選手でも気になるでしょうし、その中でやる大会は難しい」

次のページ