内視鏡検査で異常が見つからないのに、ふだんの食事もとれないという紀子さま。素人でも「精神的ストレス」「過労」といった言葉が思い浮かぶ。そして思考を進めれば、雅子さまの「適応障害」に重なってしまう。それだけ皇室に嫁ぐとは大変なのだということだが、ことはそう簡単ではなく、どうしても「制度」ということを思わざるをえないから、どんよりしてしまう。そしてここから、その話をしようと思う。
SNS利用で目から鱗
ことは2年ほど前、キャサリン妃が日本の皇室を救うかもしれない、という話を聞いた日にさかのぼる。その日、私は小室眞子さんの結婚などをきっかけにした、皇室問題を考えるイベントに参加した。そこで出会ったとあるアラサー女性と「悠仁さまの結婚相手」についての会話になった。
皇族女性を見ていると、苦労ばかりで幸福そうに見えない。しかも悠仁さまの結婚相手は、必ず「男子」を出産しなくてはならない。だからお相手が見つかるなど、到底無理ではないか。そんな私の悲観的見立てに、彼女から返ってきたのが「キャサリン妃」だった。
いわく、今どきの若い女子はみなSNSでの「いいね」を求めている。〈prince and princess of wales〉アカウントのインスタグラムを知っているか。フォロワーが○○万人もいるのだと彼女が言った。当時の数字は失念したが、現時点では1514万人いた。キャサリン妃の写真がアップされると、そのファッションがハイブランドのものであってもお手頃価格のものであっても、何万人もの人が「いいね」を押す。そのような状況に魅力を感じる女性はきっといるはずで、その線でお相手も現れるのではないか。彼女はそう語っていた。
目から鱗とはこのことだった。皇室のSNS利用についてはすでに話題になってはいたが、その議論は「広報活動」をどう広げるかという観点だった。だがSNS世代である彼女の視点はそんなところをとっくに超え、「『いいね』の手段としての皇室」にまでいっていた。従来型の発想を捨て、そもそも「皇室」というものの意味から再考する必要がある。そんなふうに思った。
「不穏」を吹き飛ばす道
以来、キャサリン妃という存在は私にとって“希望の星”になった。SNSの世界が皇室バッシングの主たる舞台になっているけれど、キャサリン妃がその荒波をファッショナブルに乗りこなしているのだとすれば、秋篠宮家への誹謗中傷に代表されるような、国民と皇室の不穏な空気も吹き飛ばす道があるかもしれない。そんなふうに思えたのだ。