1月26日、「関東東海花の展覧会」を見学する秋篠宮ご夫妻と佳子さま。紀子さまは胃腸の調子がすぐれない状態が続いているという(写真:代表撮影)

 年始に紀子さまの体調不良が報じられた。それから時を経ずして、英王室キャサリン妃の入院の報も。偶然かもしれないが、とても心配だ。日本の皇室の制度の問題が横たわっているから、あれこれ考えてしまうのだ。AERA 2024年2月12日号より。

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 私などが心配したところでどうにもならないことはよくよくわかった上なのだが、お二人のことが気がかりでならない。秋篠宮妃紀子さまと英国王室のキャサリン妃、共に体調がよくないと報じられているのだ。

 宮内庁が紀子さまの体調不良を発表したのは、1月6日。数日前から胃腸が不調だということで、朝日新聞デジタルは「普段の食事が取れていない」という側近の言葉を紹介していた。

「4年ぶりの女性皇族ティアラ」が話題となった1日の「新年祝賀の儀」には、紀子さまも出席していた。その後に体調が悪化したのだろうかと思っていたら、その後の報道では「昨年末から体調が悪化」とされていた。そんな中での行事出席は、大変だっただろうと想像する。

休養を勧められたが

 以後の活動については皇嗣職が「7日午前に予定されている儀式は朝の体調で侍医が判断する」と語ったそうだが、そこからの紀子さまの儀式その他への出欠をまとめるとこうなる。

 まずは7日だが、午前の「昭和天皇祭皇霊殿の儀」には出席。午後の「昭和天皇祭御神楽の儀」は欠席だった。8日に出席予定だった「手話狂言・初春の会」は欠席、次女の佳子さまだけが出席した。11日「講書始の儀」出席、17日「交通安全国民運動中央大会」出席、18日に埼玉県を秋篠宮さまと訪問、19日「歌会始の儀」出席。

 10日には胃の内視鏡検査を受けたが異常は見つからなかった。「胃腸の機能的な障害によるものと考えられ、休養を心掛け、自律神経の調整を図りながら過ごすよう」と担当医師に勧められたと報道されていたが、相変わらず忙しい日程だ。回復には1、2カ月かかるという医師の見立ても伝えられ、決して軽い病ではないのだなと思っていたところに飛び込んできたのが、「キャサリン妃が手術で入院」のニュースだった。

 英国王室が17日に声明を出したのだ。かいつまむなら、「予定されていた腹部の手術に成功した」「10~14日間は病院にとどまる」「公務復帰は4月以降」ということになる。病名は明かされていないという。

 日本と英国、皇室と王室に嫁いだ者同士が同時期に病を得て、公式な発表に至る。単なる偶然でしょ、そういうこともあるのでは、と思えないのは、やはり立場が身体に及ぼす影響を考えざるをえないからだ。

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矢部万紀子

矢部万紀子

矢部万紀子(やべまきこ)/1961年三重県生まれ/横浜育ち。コラムニスト。1983年朝日新聞社に入社、宇都宮支局、学芸部を経て「AERA」、経済部、「週刊朝日」に所属。週刊朝日で担当した松本人志著『遺書』『松本』がミリオンセラーに。「AERA」編集長代理、書籍編集部長をつとめ、2011年退社。同年シニア女性誌「いきいき(現「ハルメク」)」編集長に。2017年に(株)ハルメクを退社、フリーに。著書に『朝ドラには働く女子の本音が詰まってる』『美智子さまという奇跡』『雅子さまの笑顔』。

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